神前神楽舞について
神前神楽舞とは、
①神前にて奉奏され、
②祭典の式次第(祝詞奏上後)に組み込まれ、
③日本古来の神楽歌に倣い、歌と雅楽演奏を用いて奉奏される
神楽舞のことを指します。
古来日本人は恵みを与えてくれる神々に対し、感謝と祈りを捧げ、神楽舞を神前に奉納してきました。
神社の祭りにおいて神楽とは、天岩戸の「天鈿女命(あめのうずめのみこと)」の神話に由来し、神楽を神前で舞うことにより、 神慮は慰められ、神霊はあるべき御座(みくら)にとどまると考えられています。
「神慮を慰める」ということは「神様の心を和ませ、元気になっていただく」ということです。
神楽を奉奏することで神様に元気になっていただき、その恵みを奉戴した人々が、また感謝と祈りとして神楽を捧げ、再び神様に元気になっていただく。 そのような循環による神様と人々との共栄のあり方が我が国の国風です。
神前神楽は神々に捧げる歌舞音楽です。それが神意に適うものであるように、人々は「敬神」「神人和合」「至誠」の精神を持って日々研鑚に研鑚を重ねて、 美しい歌舞を奉奏するのです。
神意に適う神前神楽を神前に納めることができた時、神慮は慰められ、神楽を通じて神の恵みが人々に降り注がれます。
「神は人の敬いによりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」(御成敗式目より)
という善なる循環を生み出すもの、それが神社における神楽、神前神楽舞なのです。